北側からの谷川岳の景観

百名山登山記

谷川岳に登る場合、天神平までロープウェイを使用し、そこから山頂まで往復する人がもっとも多いと思います。私はこれまでこのコースで3回登っています。西黒尾根を使う健脚の人もおられます。しかし、オキの耳より奥に行く人は少ないでしょう。今回、谷川岳を越えて、一ノ倉岳、茂倉岳を経由して、土樽駅までのコースを辿ってみました。谷川岳は天神平(南側)から何度も見てきましたが、一ノ倉岳・茂倉岳(北側)からの違った谷川岳方面の景色が楽しめました。このコースは、健脚な方は日帰りできますが、ガイドブックには谷川岳肩ノ小屋に一泊する日程が載っていました。私は日帰りで計画しましたが、体力の衰えや暑さを考慮しておらず、結果的には身の危険を感じることになりました。山を甘く見てはいけないということを改めて思い知りました。

2023年7月6日に、ロープウェイ土合口駅にマイカーを駐車し、ロープウェイで天神平まで行き、9時10分に歩き始めた。肩の小屋で昼食休憩し、双耳峰の奥側のオキの耳を12時10分に出発した。ほとんどの人はここから引き返すため、また、平日でもあり、オキの耳の先は人がかなり少なくなった。会った人は同じ方向3名(追い抜かれた2名は土樽駅まで行かれたと思われ、追いついた1名は茂倉岳避難小屋に宿泊された)、すれ違った人2名(天神平から茂倉岳までのピストンの方と馬蹄形コースを来られた方)でした。トマの耳~茂倉岳から見る谷川岳とオジカ沢の頭方面は絶景(あくまでも個人の感想)であり、一見の価値がある。また、谷川岳からオジカ沢の頭、万太郎山を経て平標山までの稜線が素晴らしく、一度歩いてみたい(途中で避難小屋に泊まる必要あり)と思った。標高は、谷川岳トマの耳1963m、谷川岳オキの耳1977m、一ノ倉岳1974m、茂倉岳1978mで、僅差だが、茂倉岳が一番高い。ちょうど高山植物の季節で、谷川岳から茂倉岳までの稜線にはいろんな高山植物が咲いてた(ヨツバシオガマ、サラサドウダン、ウスユキソウ、ハクサンチドリ、タカネバラ、ハクサンフウロ、コバイケイソウなど)。

茂倉岳避難小屋で14時40分になった。昭文社の山と高原地図で土樽駅までの標準時間を確認したところ3時間40分で、18時9分の土合方面最終電車にぎりぎりであることがわかった。矢場の頭まで急いだが暑くてスピードが出ない。そこから30分ほど急いで下ったが、疲労により標準時間を保つことができないと判断し、最終電車は諦めて駅に泊まることとした。安全下山を重視し、また、水の残り(最初は1.75L持参の予定のところ、悩んだ末2L持参していたが、この時点で残りは300ml位であった)を考慮して、ゆっくり下った。約30分毎に休憩し、水を一気に飲みたい気持ちを抑えて50mLずつに制限した。最後の方は下りでの衝撃に足が悲鳴をあげ、非常にゆっくり(時速1Km以下)でしか歩けなくなった。18時頃になんとか登山口に辿り着いたが、水は飲みつくしていた。山道があと1Km長いか、または、水があと250ml少なかったら(最初の予定)、途中で動けなくなって、脱水症状のままビバークすることになったかもしれない(過去に2回、深刻な水不足に陥ったことがありました。1回目は剱岳(日本百名山での一日標高差2000m超えの2)、2回目は霊仙山(登山に関して身の危険を感じたことの4)。ただし、山道に溜まっていた泥水を飲もうとは全く思わなかったので、まだ余裕があったのだろう。

登山口からは車道なので歩きやすくなり、駅の近くまで来たら、道端に水飲み場(川の水)があったので、がぶ飲みをして、生き返った気分になった。駅には18時50分ごろに到着したが、無人駅で、周りには何もなく、飲み物の自動販売機が駅にあるだけ。こんなこともあろうかと半ば予想していて、食べ物を少し余分に持っており、薄いダウンの上着とシュラフカバーもあったので、駅で無事に一夜を過ごすことができた。オキの耳から一茂倉岳までの景色がハイライトであるが、健脚でない方は、早く出発したり(休日は7時からロープウェイが動いていますが、季節により違うので、必ず確認してください)、茂倉岳から引き返すか、肩の小屋か茂倉岳避難小屋に泊まる方法もある。

ヨツバシオガマ
ウスユキソウ
ハクサンチドリ
茂倉岳(左)と一ノ倉岳
オジカ沢の頭(右)と川棚の頭(左)
オジカ沢の頭(右)と川棚の頭(左)
谷川岳(左)とオジカ沢の頭(右)、その奥に川棚の頭
茂倉岳からの谷川岳(右)と一ノ倉岳
茂倉岳から北方を望む
茂倉岳からの下りの途中からの万太郎山

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