北海道・東北の日本百名山と7月の残雪

百名山比較分析

私は寒さと雪が苦手ですので、冬季はあまり登山をしません。5月後半ごろからそろそろ登山を始めます。8月にはかつては信州の高山を登っていました。その間の時期の7月には、これまでに多くの北海道や東北の日本百名山を訪れました。北海道は顕著な梅雨がありませんので、7月が狙い目です。東北の夏は暑い(私見)ですので、晴天を選べば7月の方がよいかもしれません。そこで心配なのが残雪です。北海道と東北の日本百名山の一般的なルートには7月でも残雪が普通に見られますが、これまでに7月に残雪が氷結していたことは記憶にございません(この表現は偉い政治家の先生が弁明に使っていると疑わしいですが、この場合は本当です)。従いまして、ほとんどのルートでは雪渓対策の装備(チェーンスパイク、アイゼン、ピッケルなど)は必須ではないと思います(私見です)。ただし、傾斜が急なため、7月でも装備がないと登れないルートもあるようです(後述の飯豊連峰の大雪渓、別名石転び沢)。なお、飯豊本山(日本百名山登山者のターゲット)には別のルートで行くのが一般的です。私がこれまでに盛夏に訪れた北海道と東北の日本百名山の中で、印象に残っている残雪について記します。いずれも残雪ではあまり苦戦はしませんでした。恐らくですが、これらの残雪の多くは9月になると解けてなくなるのではないかと思います。

羅臼岳 2015年7月9日に訪れました。銀冷水を越えたあたりから雪渓があり、羅臼平手前では急勾配になっていました(上の写真)。アイゼンは持参していましたが装着する必要はありませんでした。雪渓と急坂は羅臼平で終わり、しばらく進むと北方領土の国後島(くなしりとう)が海の向こう側から姿を現しました。

斜里岳 2015年7月10日に訪れました。昨日の羅臼岳でアイゼンを使う必要がなかったので、この日は持参しませんでした。予想に反して、従来の登山口から下二股までは残雪が大量にありましたが、凍結はしていませんでした。下二股から上の旧道は雪渓のため通行禁止で、新道コース(残雪は無い)を進みました。この日の日中は気温が上がり、帰りまでに下二股から下にあった残雪はかなり解けていて、別の道のような印象を受けました。

トムラウシ山 2013年7月12日に訪れました。トムラウシ温泉側からピストンをしました。コマドリ沢(写真)には大量の残雪があり、急登でしたが、凍結はしていませんでした。この日は天候が良く、暖かかったです。ただし、トムラウシ山では2009年7月中旬にツアーガイドを含む登山者8名が低体温症で死亡したという痛ましい山岳事故が発生していますので、天候には注意が必要です。

岩木山 ミチノクコザクラを見たくて、また、JR東日本の大人の休日クラブパスが使えたので、2010年7月10日に訪れました。岩木山神社から登りましたが、大沢には大量の残雪がありました。凍っておらず滑ることはありませんが、雪深くて通行が困難な箇所もありました。大沢の上部の残雪が解けているところに、ミチノクコザクラが咲き誇っていました。じっと雪解けを待っていたのでしょう。この沢にしか生育していない固有種で、ハクサンコザクラに酷似していますが、花が大きいようです。

飯豊連峰 2021年7月21日に北側の飯豊山荘から大雪渓(石転び沢)を登ろうとしました。これまでにこの時期にアイゼンが必須であったことはなく、アイゼンは不携帯でした。途中で会った地元の登山者に、大雪渓の上の方は急で、アイゼン無しでは危険であると言われました。急遽、雪のない梶川尾根に変更しましたが、非常に急登で、この日は異常に暑く、しかも湯沢峰近くの水場が見つけられず(その後にすれ違った人から五郎清水の水を分けてもらいました)、テントを持っていた私はとても苦労しました。アイゼンを付けて大雪渓に行った方が登り易かったとかもしれません。日本百名山登山者のターゲットである飯豊本山(最高峰は大日岳ですが)には必ずしも大雪渓を通らなくても登れます。むしろ、南側の川入からのピストンが最もポピュラーなコースでしょう。写真は北股岳と梅花皮(かいらぎ)小屋の間から大雪渓を見下ろしています。

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