ネパールトレッキング4-7

アンナプルナサーキット

2023年5月14日14時30分フェディの食堂にて: 今日はとても苦しい一日だった。高所だからか、それとも、緊張のためか、よく眠れず、4時過ぎに起きて、食事をして、5時20分に出発。天気が良く、暖かく、風は弱い。雪道であるが、凍結はしておらず(アイゼンは必要ありませんでした)、しっかり踏み跡がついていて、トレッカーがたくさんいるので、迷うことはない(ガイドも必要ありませんでした)。今年の3月にスキー場のリフトを利用して武尊山を往復した(積雪期の武尊山)が、ここの雪道に関しては3月の武尊山よりも技術的には易しい。しかしながら(以下が重要)、酸素濃度が平地の半分くらいであることを体が検知して、ゆるい登りでも、日本では経験したことがないような激しい息切れがする。呼吸が深く、かつ、頻繁になった。さらに、時々、軽い吐き気(高山病の症状だと思われる。黄色信号だと認識した)も感じた。途中でヘリコプターが2機飛んでいた。先に峠方面に行った人(100人より少ないと思われる)で、重篤な高山病になった方が少なくも二人おられるようだ。ヘリコプターを呼ばないと高山病で死に至ることもあるとのこと。要請するのに3,000ドルほどかかるので、旅行保険がカバーしているかを確認しておくべきである(私はうっかり確認していませんでした)。

息を整えるために、頻繁に長めの休憩を取り、多くのトレッカーやポーター(信じがたいが、大きなリュックを3つほど持ったポーターが5000mの高地の坂道を平然と上っていく)に抜かれた。しかし、不思議なことに、途中で引き返そうだとか、この峠を越えられないのではないかという不安な気持ちには全くならなかった。4時間40分かかってトロンパスまで辿り着いた。ガイドブックによると所要時間は2時間半と書いてあるが、雪が残っているのと、私は老齢である(64歳、日本の山でも最近は標準タイムより長くかかります)のと、荷物が重い(約11Kg)ので時間がかかってしまったようだ(ポーターは雇った方がずいぶん楽であることは間違いありません)。高山病の症状はほんの初期症状しか出ず、ピサンのゴンパでお祈りしたご利益があったのか、それとも悪運が強いのか、無事にトロンパスまで来ることができた。昨日のうちにトロンハイキャンプまで来ていたことは正解だった。

チャーメから歩きだして、雨による連泊もあったが、トレッキング日としては5日目に峠を越えた。マナンまでジープが来ているので、時間のない人は3日で越えることが可能だが、高度順応に+1日使った方が良いと思う。ポーターなしでは体力的に今回が限界だったと思う。ポーターを雇うとあと5年くらい先まで来れそうだと思うが、自分のスタイルではないので雇いたくない。今後、マナンやヤクカルカに来ることがあっても、トロンパスを越えることはないだろう。

ガンガプルナ(右奥の黒っぽく尖っている山)とアンナプルナⅢ峰(ガンガプルナのすぐ左の白い山)
トロンパス方面
東側 見えている建物は茶屋
多分南側

峠からは東側(上ってきた方向)と西側(下る方向)の両側の景色が良い。東側は比較的近くに雪山が見える。西側は遠くの方にニリギリが見える(この日は見えなかったが、雲がなければダウラギリも見える)。ここトロンパスは1983年にジョムソン街道をトレッキング中にすれ違った日本人家族が越えてきたと聞いてから、40年間、いつか越えなければというプレッシャーがあったが、本日、そのプレッシャーから解放された。5416mの峠をポーターを雇わずに自力で越えることができたのは今回のハイライトであることは間違いないが、もう一つ、ピサンからヤクカルカまでのほぼ平坦な道のトレッキングでアンナプルナ山群が見えたことも同様に印象に残っている。峠からからフェンディまでの下りは3時間ほどかかったが、息切れはせず、高所であることは感じられなかった。

トロンパス(トロンラ峠、5416m)にて
トロンパスにある一軒茶屋
西側、手前にニリギリが見える。ダウラギリは左奥で、雲がかかっている
ムクティナート(左)とジャルコット(中央)と西側の山々
ムクティナートのヒンズー教寺院ムクティナラヤン。左奥に一部見えるが、周囲の108の蛇口から聖水が出ている。
ジョラムキ・ゴンパ(石火寺)の本尊観音菩薩。下部の石間に、わずかであるが、天然ガスの炎が見えた。

5月15日6時35分ムクティナートのパスオブドリームホテルにて: ムクティナートで寺院や仏像を見学した。ここはヒンズー教徒とチベット仏教の聖地で、ネパール各地やインドからも巡礼者がくる。昨日トロンパスを越えることができたが、達成感と脱力感がある。このトレッキングで、もう危険な箇所はないだろう(人生、油断は禁物です。もう危険な箇所はないという認識は間違っていて、次の日にトロンパス越えよりも身の危険を感じる体験をしました。)Wi-Fiは12日の朝のマナン以来つながった。

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