朝日連峰稜線の錦の絨毯

百名山登山記

日本百名山登頂を目指しているときは、都合のつく時に未踏の山を登っていました。2回目以降になりますと、景色が良いと言われている別のコースやその山の特徴が表れる時期を選んで登るようにしています(例:北側からの谷川岳の景観積雪期の武尊山)。朝日連峰は2019年のお盆に登りましたが、とても暑かった印象が強いです(東北の夏の日本百名山は暑い)。朝日連峰の紅葉の美しさをNHKのにっぽん百名山「朝日岳~錦に染まる美しき峰」で知り、紅葉の時期に同じコース(一泊二日で、日暮沢小屋ー竜門小屋(泊)ー大朝日岳ー日暮沢)を辿ってみることにしました(2023年10月3~4日)。

1日目:日暮沢の駐車場には平日とはいえ、多くの車が止まっていました。紅葉を目当てに来られた人たちだと思われます。朝日連峰で随一と言われている急登を登り、5時間ほど(休憩を含む)で竜門山に着きました。夏季に比べて気温が低いので、登りやすかったです。今年は直近まで暑い日が続いていたので、紅葉は遅れているようです。竜門小屋の宿泊者は僅か9名でした。水は夕方になり湧き出し量が減ってはきましたが、ちょろちょろと出ていました。渇水することもあるらしいので要注意です。この日の大朝日小屋(40-50名で超満員だったそうです)や狐穴小屋(こちらも団体さんが泊っていて満員だったそうです)は混んでいました。

竜門小屋

2日目:6時前に出発。朝に小雨が降っていて、稜線歩きを断念しようかと迷いましたが、高曇りで遠くの山が見えたので、予定通り大朝日岳を目指すことにしました。結果的にはこの判断が大正解でした。昨夜の冷え込みで、一日で紅葉が進んだように感じました。恐らく紅葉のピークの数日から一週間位前だと思われます。紅葉(もみじ)類はまだ黄色のものが多かったです。また、残念ながら今年の色づきは悪いようで、本来深紅になるはずのタカネナナカマドが茶色くなって枯れていました。それでも、稜線の大朝日岳方向の右側(新潟県側)は色とりどりの灌木が、不思議ですが、人が見て美しく見えるような配置に散らばっていて、錦の絨毯が敷かれているように見まごうところがありました(下の1枚目と3枚目の写真)。これで大満足ですが、紅葉の当たり年の、しかもピーク時なら、天下無双の美しさ(おそらく、「NHKのにほん百名山 朝日岳~錦に染まる美しき峰」の映像)を誇っていることでしょう。紅葉時のこの稜線はまた来てみたいです。写真撮影に時間をかけて、4時間ほどかけて大朝日小屋に着きました。天気が悪かったせいか、それとも稜線の紅葉が美しいことを知らない人が多いのか、竜門小屋から大朝日小屋までの稜線で会った人は僅か5名でした(そのうち3名は大朝日小屋からのピストン)。

竜門山~西朝日岳の稜線の錦の絨毯
西朝日岳手前から以東岳方面を望む
西旭岳手前の稜線の錦の絨毯
朝日岳(右の三角錐)

大朝日岳(上の写真の三角錐の山)の山頂に着いた頃(10時過ぎ)には天気はとても良くなっていて、360度の景観を楽しむことができました。北は月山の左奥にうっすらと鳥海山が(この下の2枚目の写真)、南には(恐らくですが)磐梯山が見えました(最後の写真)。運が良かったです。下りは小朝日岳を巻いて(小朝日岳への道もありますが、登る気が失せるほどの急登です)、ハナヌキ峰分岐を経て、日暮沢小屋を目指しました。三沢清水は涸れていたので少しがっかりです(銀玉水と一服清水は出ています。金玉水は確認していません。)。根子川に降りる最後の急坂で足が痛くなり、急に失速してしまいました。途中で会って先に行かれた親切な方が、私がなかなか戻ってこないので、日暮沢小屋から林道終点まで車で迎えに来てくださり、非常に助かりました。なんとか日暮前の17時頃に日暮沢に到着できました。これまでに紅葉を狙った登山はあまりしてきませんでしたが、今回の紅葉は今までで最も素晴らしかった紅葉だと感じています。

朝日岳頂上
朝日岳頂上から北方に見える月山(右)と鳥海山(左奥)
朝日岳頂上から南方に見える磐梯山と思われる山

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