日本百名山を絡めた縦走の奨め

百名山比較分析

 山登りにあたって、私は景色を重要視します(深田久弥が言うところの山の品格に通じると思っています)。山頂に到達するための登山より、むしろ、日程や体力的に可能な範囲で、連続して景色が楽しめる縦走を好みます。一度降りて、別の日に登り直すより、登りのエネルギーを使わない点もいいですね。下記のコースのうち、多くは山と渓谷社の「決定版 日本百名山 登山ガイド 全3巻」(現在は廃刊になっているようです)を参考にしました。

1.越後三山森林公園ー越後駒ケ岳ー中ノ岳ー十字峡 越後三山森林公園から越後駒ケ岳に登る道は長い急騰でつらいですが、八海山の眺めがいいです。長い急騰を避けるため、枝折峠からスタートしても良いでしょう<42年越しの枝折峠からの越後駒ケ岳>。クライマックスは越後駒ケ岳と中ノ岳間の稜線で、歩いていて気持ちがよかったです。私が訪れた6月初旬は残雪が多く、中ノ岳から日向山までの道の崖側がわかりづらかったです。この時期は滑落しないように注意が必要です。

2.大雪山旭岳から黒岳 旭岳と黒岳のロープウエイの駅間の縦走です。2つのロープウェイは縦走してくださいと語りかけているような位置関係にあります(日帰りで縦走可能です)。旭岳以外に、御鉢平(写真)、北鎮岳と見どころがあります。御鉢平は安達太良山の沼野平を巨大にしたような感じです。2022年夏季は縦走証明書が貰えるロープウェイのチケット(タイセツ縦走パス)が販売されていました。旭岳側から登りましたが、他の大勢の方はピストンでしたので、もったいないなあと感じました<日本百名山達成は旭岳><百名山登頂達成の証明について>

旭岳と黒岳の間に横たわる広大な御鉢平。
縦走証明書の表側。黒岳と旭岳のロープウエイのセット券に付いています。期間限定です。
縦走証明書の裏側

3.朝日連峰 泡滝ダムから朝日鉱泉まで、以東小屋、大朝日小屋を使って、2泊3日で縦走しました。遠くから大朝日岳を眺めて、だんだんと近づいて行くコースで、達成感があります。大朝日岳へは朝日鉱泉や古寺鉱泉から大朝日岳小屋利用の一泊二日で登られる方が多いようですが、もう一泊して縦走することをお奨めします(車利用では難しいですが)。私が登ったのは8月でしたが、機会があれば、10月初めの紅葉の季節に再度訪れたいと思っています。紅葉がとても美しいようです。

4.飯豊連峰 飯豊山荘から川入までのコース。門内小屋と飯豊本山小屋のテント場を利用しました。石転び沢出会いと梅花皮小屋の間の大雪渓はアイゼンが必要ですが、私は持って行かなかったため、急遽、予定を変更して梶川尾根を登りました。7月と暑い時期で、急騰で、しかもコロナのため山小屋を使いたくなかったのでテント持参でした。頻繁に休憩しながらの登りに標準タイムより2時間多くかかってしまいましたが、稜線に出てからは雄大な景色が楽しめました<東北の夏の百名山は暑い><登山の道具><日本百名山の悪路と急登>

5.八ヶ岳 麦草峠(バス利用)から小淵沢駅まで2泊3日で縦走できます。このルートは一般に広く利用されていると思います。コースの真ん中あたりに八ヶ岳最高峰の赤岳があります。コース周辺には山小屋が沢山あり、競争が激しいのでしょうか、凝った食事を出してくれるところもあります。 

6.間ノ岳と塩見岳 塩見岳は山伏峠からピストンで訪れるのが一般的ですが、塩見岳の迫力ある北面(写真)を眺めながら登るコースも良いと思います。このときは農鳥小屋から出発しましたが、塩見岳山頂には午後に着いたので視界は悪く、塩見小屋に泊まって、翌朝ピストンしました。塩見小屋は小さく、予約を取りにくいので、注意してください。<予想しなかった山頂からの景色>

北側から見る塩見岳。尾根を進むとだんだんと大きくなってきて、迫力が出てきます。

7.穂高岳と槍ヶ岳 大キレットを通って縦走するコースですが、スリル満点です。軽度の高所恐怖症の私は生きた心地がしませんでした。それにも関わらずリピートしました。怖いけれどジェットコースターに乗ってみたいという心理と共通しているのかもしれませんが、こちらの方は命を落とす危険があります。他のもう少し易しいコースで練習を積んでから行くことをお奨めします<日本百名山達成者が最も好きな山は槍ヶ岳だと思う>

大キレットを北側から見下ろしています。この縦走は迫力満点です。

8.鹿島槍ヶ岳と五竜岳 八峰キレットを通って縦走するコースです、こちらもスリルがありますが、上記の大キレットと比べれば難易度はやや低いと思います。

9.丹沢岳と蛭ヶ岳 この山域での最高峰は蛭ヶ岳ですが百名山に選ばれているのは丹沢岳です。深田久弥は著書「日本百名山」の中で、「私が百名山の一つに丹沢山を取り上げたのは、個々の峰ではなく、全体としての立派さからである」と述べています。丹沢岳のピストンで満足せずに、足を延ばしてみました。渋沢駅ー(バス)ー大倉ー塔ノ岳ー丹沢岳ー蛭ヶ岳ー檜洞丸ー西丹沢自然教室ー(バス)ー新松田駅。この縦走路は東京の近郊とは思えないような深山の雰囲気を味わうことができます。日帰りでは難しいですが、山小屋はたくさんあります。私は山小屋には泊まらず、大倉のバス停で野宿しました。

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