ネパールトレッキング4-13

アンナプルナサーキット

4回目のネパールトレッキング(アンナプルナサーキット)は終了しましたが、ネパールへのトレッキングを計画されている方のために、種々の情報を掲載しておきます。お役に立てていただければ幸いです。

出発の経緯: 1983年の第1回トレッキング以来、いつかトロンパス(5416m)を越えたいという願望が根底にあった。2023年5月は、①コロナの感染症扱いが軽くなる。②仕事が入っていない。③ネパールはまだ雨季に入っていない。以上を踏まえ、3月25日にカトマンドゥ往復(マレーシア航空、5月4日出発、5月24日帰国)の航空券を発注した。最大の懸念は高地であるトロンパス越えであるが、人に頼りたくないという気持ちがあり、ガイドやポーター無しで行くことにした。どうしても無理な場合のみ、峠に近いところで雇うこととした。

天候: アンナプルナサーキット(周回)では晴れの日が多く、雨季の前であった。トレッキングコースからヒマラヤの山々は概して良く見えた。10時を過ぎると山頂付近が雲に覆われ始める日もあったが、一日中良く見える日もあった(マナンからトロンパスまで)。日中は晴れていると暖かい。ポカラやカトマンドゥからヒマラヤは見えなかった。ポカラでは5月19日の時点で雨期に入っていたようだ。マナンの天気予報はネットで見ることができる(Manang, Gandaki, Nepal, Weatherで検索すると出てくる)。

トレッカーの数: シーズン外れ(シーズンは3月と4月。どうして5月がシーズン外れなのか不明)なのとコロナの影響が残っているので、トレッカーは少なく、ヤクカルカやマナンハイキャンプでも一人部屋がとれた。一人部屋が取れるとくつろげる。アンナプルナサーキットで日本人のトレッカーとは会わなかった。なお、3月は峠周辺では寒く、道は凍結していると思われる。

ビザ、許可証、ガイドとポーター: ビザは入国時にカトマンドゥの空港で取得できる。写真は不要。コロナウイルスの予防接種証明書も不要。30日用は50USドルだった。ガイドやポーターを雇わない人はACAエントリーパーミットのみ必要(写真は2枚必要)。ガイドやポーターを雇う人はTIMS登録カードも必要。両方ともカトマンドゥまたはポカラで取得できる。ガイドやポーターを雇わないとトロンパスを越えられないという情報は間違い。

予定との乖離: ほぼ予定通りに進んだ。予定外は以下である。①カトマンドゥで予期せぬ休日(お釈迦様の誕生日。満月の日なので、毎年、日が異なる)に遭い、ACAエントリーパーミットの取得に1日使い、スタートが遅れた。②スタート地点はジャガットのつもりであったが、更に奥のチャーメまでジープに乗って(パーミットの取得に費やした日を取り戻すため)、2日分早めた。③高地順応のための連泊をマナンで行うつもりだったが、アッパーピサンで天気が悪かったので、ここで連泊した。これが正解で、連泊の翌日にアッパーピサンからすばらしいアンナプルナⅡ峰が見えた(上の写真)。④ジョムソンの予定していたホテルが満員だったので、マルファのホテルに泊まった(マルファパレスホテルはくつろげるホテルだった)。⑤ラージュンでトレッキングを終了するつもりが、もう少しヒマラヤを見たい気持ちになって、カロパニまで延ばした。

持ち物:「持って行って良かったもの」①パルスオキシメーター;高山病になっているかの目安になるので重宝した。「持っていけば良かったもの」①酔い止め;道路が悪く、ベシサハールからチャーメまでのジープと、ポカラからカトマンドゥのバスで酔ってしまった。②リップクリーム;日焼けなのか乾燥なのか、唇が荒れて、食事が困難になった。

ネパール国内でかかった費用: 5月5日に20ドルを空港で両替。レートは130くらい。同日4万円をカトマンドゥの両替商でレート0.955で両替。5月6日に5万円をカトマンドゥのヒマラヤ銀行でレート0.969で両替した。両替商と銀行のレートの違いが判らなかったので銀行にも行ったが、銀行の方が少し良いだけなので(1万円あたり140ルピー)、わざわざ行く必要はないと思う。ルピーへの両替は合計89,250。何故かポカラの方がレートが0.01ほど悪いようである。余分に両替したため、最後の方にルピーは余ってきたので、土産物に28,000ルピーほど使った。土産代を除いた約61,000ルピーを5月5日から19日間で、食事代、宿泊代、交通費、トレッキング許可証代などに使ったことになる。一日当たり、約3200ルピーである。

結び: ネパールから5月24日に帰国し、5月30日から3日間仕事をした。その後、緊張から解けて免疫力が落ちてきたらしく、高山で負担がかかっていた喉と気管に風邪の症状が現れた。6月4日に咳が止まらなくなった。現在(6月11日)は落ち着いてきた。アンナプルナサーキットのコースだが、高山病対策として東から越えることになる。トロンフェディ(トロンベースキャンプ、4441m)まではなだらかであり(ただし、私はヤクカルカ(4000m)(真ん中の写真)を過ぎたあたりから上り坂が息苦しくなった。)、トロンフェディを過ぎてからトロンハイキャンプ(4800m)を経てトロンパス(5416m)(下の写真)までが傾斜がきつく難所となる。トロンパス越えの一日前は、トロンフェディ泊まりにはせず、トロンハイキャンプまで行っておくことを勧める。私がトロンパスを越えた時(2023年5月14日)は好天で風は弱く(日頃の行いが良かったからだと言いたいが、悪運が強かっただけ)、トロンハイキャンプの少し手前からは道は雪に覆われていた。しかし、凍結はしておらず、アイゼンは不要で、雪山初心者でも安全に歩くことができた。難敵は空気が薄いことである。平地のちょうど半分くらい。幸い顕著な高山病の症状は出なかったが、緩い坂でも息切れが激しく、10Kg余りのリュックが相当重く感じられた。この日だけはポーターを雇いたい気持ちになった。もしもトロンパス手前で高山病になってしまったら、費用は2万円くらいかかるようだが、馬やヤクを使うという奥の手もある(恐らくですが、トロンハイキャンプで手配できると思います)。一方、必ずしも無理してトロンパスを越える必要はないと思う。ピサン(上の写真)からヤクカルカ(真ん中の写真)あたりまで、アンナプルナ山群が良く見えるので十分に楽しめる。今回は行かなかったが、マナンからはティリチョ湖や西洋人に人気のミナレパケイブ(瞑想の洞窟)に行くことができる。私は今回のトロンパス越えで達成感を味わったので、現在のところ次回の計画はない。今後、もしもまたネパールに行きたいという気持ちが出てきて、その時にまだ体力が残っていれば、5回目のトレッキングを行うかもしれない。

2024年1月2日追記:ネパールで撮った山の写真(アンナプルナ周辺の山の写真)を見ていると、また行ってみたいという気持ちが高まってきました。今年の4月~5月にかけて5回目のトレッキングを行う予定にしています。アンナプルナ山群のアンナプルナベースキャンプ(ネパールトレッキング3-1)やトロンパスは訪れてみたいという思い入れが強かったですが、今は漠然とヒマラヤの山を見たいということで、どこに行きたいという特別な思いはありません。人気のあるところは外れが少ない(国内では日本百名山)というセオリーから、エベレスト方面を考えています。

アッパーピサンからのアンナプルナⅡ峰
ヤクカルカから見えるアンナプルナⅢ峰
トロンパス(5416m)

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