積雪について

百名山比較分析

 積雪期と無積雪期の登山は全く違うものです。積雪期にはアイゼンやスパッツが必要です。時間がかかり疲れます。また、道がわかりづらく、足跡をたどって行っても、先に行った人が間違えていて、引き返したことがしばしばあります。凍結している場合は滑りやすく、滑落の危険性が増します。私はなるべく雪のある時期には登山をしないようにしていますが、予期せぬ積雪や残雪に遭遇して、撤退したこともあります(2021年9月の苗場山<4回目のチャレンジで池塘を見た苗場山>や2019年6月の燧ケ岳(後述)など)。雨飾山<登山道を間違えていた雨飾山>は新潟県と長野県の県境にあるので、残雪期が長いというのはうなづけます。

 2007年のことですが、5月19日に日光の男体山を二荒山神社から登りましたが、雪は全くありませんでした。同じ年の6月9日に尾瀬の燧ケ岳<最高地点に登り直した蔵王山、燧ケ岳、大雪山>を御池登山口から登りました。俎嵓(まないたぐら)まで行きましたが、途中の残雪が多く苦戦しました最高地点の柴安嵓まで行けなかったのは残雪のせいではなく、強い雨が降っていたからです。長英新道を下りましたが、途中でも残雪が多かったです。また、2019年6月2日に尾瀬沼東岸(山の東南側)から燧ケ岳に登ろうとしましたが、残雪が多くて、半分も登らないで引き返してしまいました。ちなみに2022年の山開きは、男体山が4月25日で燧ケ岳が7月3日でした。登山口が山の南側と北側という違いもありますが、両山は直線距離で30Kmほどしか離れていないのに、燧ケ岳の方が2か月以上山開きが遅いのは意外な感じがします。燧ケ岳は日本海側に近いので積雪量が多いのでしょうか。例として男体山と燧ケ岳を挙げましたが、残雪量は山や年により違いますので、ヤマレコやYAMAPで事前に情報を得てから山登りをするのが良いと思います。

6月初旬の燧ケ岳。尾瀬沼周辺には水芭蕉が咲き始めています。燧ケ岳には雪がそれほど多くないように見えます。長英新道を登ったのですが、実際には積雪量が多く、5合目まで行かずに引き返してしまいました。

 最北端にある利尻岳ですが、6月に入ると無積雪期に入ります。降雪量が燧ケ岳より少ないのでしょう。北海道は梅雨がありませんので、この時期が狙い目だと思います<頂上付近が立ち入り禁止(?)になる利尻岳>

 積雪期の武尊山はスキー場のリフトが使えますので、信じられないことですが、無積雪期と同じくらい登山者が多いようです。登った人の話ですが、滑落するような危険個所はなかったとのことです。雪が積もった翌日はラッセルが大変そうですので、体力に自信のない人は少し経ってから登るのが良いのかもしれません。(追記 2023年3月16に行ってきました<積雪期の武尊山>

武尊山山頂から見た剣ガ峰 遠くに小さく写っている雪山は浅間山
武尊山山頂から見た剣ガ峰 遠くに小さく写っている雪山は浅間山(下記参照)

過去に積雪が原因で恐ろしい体験をした時の日記が見つかりましたので、追記します。場所は日本百名山である浅間山の外輪山の黒斑山で、1981年4月3日(当時22歳)のことです。無謀にも雪山の装備は全く無しでした。私が積雪期を苦手にしているのは、この時の体験が影響しているともの思われます。当時の状況を忠実にお伝えするため、原文をそのまま引用しますので、大阪弁が混ざっていることをご了承願います。: ほんまに今日はえらい目におうた。真剣に生命の危機を感じた。車坂峠まで国鉄バスで行って、メルヘンコース(上田のユースホステルのネーミングと思われます)を逆行した。景色がよくて誰も通っていない道を通るのが気分が良く、初めのうちは最高だったが、トーミの頭からの下り道を間違えたらしく、45度をはるかに超えると思われる雪の積もった急斜面を下ったんやけど、これがドツボで、初めの直線が終わると、傾斜が急になって、下の方に切り立った岩があるんや。引き返そうにも遅すぎる。ほんとに死ぬかと思いながら、恐る恐る滑って行ったけど、加速がつき過ぎて、そのまま転がっていきそうになったのが2-3回。ほんまに生きてユースホステルに辿り着いたのは奇跡や。もう春の雪山は行きたくない。関連記事 <登山に関連して身の危険を感じたこと>

トーミの頭からの下り 同行していた筑波大学の植田君に撮ってもらった。彼は大きなカメラケースを持っていたが、下りで離さなかったのは立派。
トーミの頭からの下り
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