登頂経路により異なる景観の日本百名山

百名山比較分析

日本百名山に挑戦中の方の中には、アクセスしやい経路での登頂を優先されている方が多いと思います。私はアクセスしやすい経路と登山ガイド(山と渓谷社の日本百名山、上・中・下、現在は廃刊)推奨の経路のどちらかを選んできました。深田久弥が辿った経路を選ぶのが、本来の日本百名山の品格を感じるための最善の方法と考えますが、残念ながらこの経路が明確になっていない場合もあります。私が辿った経路で、山の景観が最もアクセスしやすい経路と顕著に違っていると感じた2例について記します。他にも多数あると思います。なお、日本百名山を絡めた縦走の奨め北側からの谷川岳の景観で紹介した経路も参考にしてください。私は今後も、体力の続く限り、美しい景色が楽しめる日本百名山の新たな経路を試してみたいと考えております。

磐梯山 最もアクセスしやすいのは西の猫魔八方台からの往復ですが、深田久弥は南の表登山口から入って、北の檜原湖に抜けるコースを選んでいます。車でアクセスするとこのコースを辿るのは困難ですので、試す人は少ないでしょう。深田久弥は1888年の大噴火によって、表側と裏側がかなり趣の違った山になったと記しています。私は一度、表登山口から往復しました。最初は大人しい景観だった磐梯山が沼野平付近からは荒々しい姿(下の写真)に変わったのが印象に残っています。北からの磐梯山は離れたところからは見ていますが、機会がありましたら、檜原湖から往復してみたいです。

沼野平付近から仰ぎ見る磐梯山2010年5月

御岳山 黒沢口または王滝口から往復する人が最も多いようです。深田久弥はどのコースを辿ったか明確ではありませんが、「広い頂上のしかるべき所には、あちこちに宗教的モニュマンが建っていて、信者の一群を率いた先達が、そこで加持祈祷をしている様が眺められる」と記載しています。最高峰の剣ガ峰を往復するだけではなく、広い頂上部に点在する5つの火口池や賽ノ河原を訪れることをお奨めします。私は南の王滝口から一回(2010年8月)、北西の小坂口から一回(2013年9月)、それぞれ往復しています。小坂口から往復した際には、頂上部を散策し、帰りに濁河温泉に入りました。王滝口から往復した時とは景色がかなり違っていて、別の山に来たような感覚でした。

御嶽山剣ガ峰 見えている池は二ノ池。背景は御岳山と槍穂高連邦。
三ノ池
五ノ池
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