登山に関連して身の危険を感じたこと

登山関連情報

 登山時は滑落や道迷いなど、危険度が高いです。私は幸いなことに遭難したことや大怪我をしたことはありませんが、これまでに登山に関連して身の危険を感じたことは7件あります。ハインリッヒの法則によると、1つの重大な事故の背景には、29の軽微な事故、300のヒヤリハットが存在するとのことです。この6件は軽微な事故に相当するでしょう。いずれも自慢することではありませんので、あまり他言はしていませんが、皆様のご参考のため公開いたします。

1.登山を本格的に始めた2007年8月に日光の湯本から、中ツ曽根を通って日光白根山に登ろうとしましたが、道を間違えて金精沢の方に行ってしまいました。明らかに登山道ではなく、今なら必ず引き返しますが、当時はそのうち正しい道に出るだろうと思って、沢の急斜面の防護柵をよじ登って進みました。車道から見えるところです。手を離せば、まっさかさまです。生きた心地がしませんでした。何とか登り切って、道のない林を進んで、悪戦苦闘すること約1時間で偶然にも登山道に出ることができました。

2.この件も登山を本格的に始めた頃です。2008年1月に埼玉県の武甲山<採掘されている日本百名山>を浦山口駅から登りはじめました。辺りはうっすらと雪が積もっていました。途中に行方不明者のポスターが貼ってあり、この先に自身に起こることなど予想できずに、こんなところで遭難する人がいるのだと感じていました。橋立川沿いから分岐する登り道を見逃して、川沿いを直進してしまいました。こちらはほとんど人は通らないような道です。途中で道が5mほど崩れていました。川からの高さは3mほどでしょうか。川に降りても進めませんでした。今なら確実に引き返しますが、この時は崩れた道の上側の崖の斜面を、助走して勢いをつけて走り抜けました。もしも斜面から滑って、川に落ちて足を骨折していたら、誰も通りそうにない所でしたので、凍え死んでいたかもしれません。この後はそのまま進んで登山道に合流しましたが、その時点でやっと道に迷っていたことに気づきました。

3.本件は登山帰りのドライブ中に起こりました。2012年8月に剱岳の早月尾根を日帰りで往復<日本百名山での一日の標高差2000m越え>し、番場島からレンタカーで富山駅に戻る途中、富山地方鉄道の踏切に差し掛かりました。そろそろ踏切があることはわかっていたのですが、私の自家用車のカーナビは踏切が近くなると音声で知らせてくれました。この時もカーナビが知らせてくれると勝手に思っていたら、カーナビの種類が違っていて、知らせてくれませんでした。登山で疲れていたせいか警報は全く聞こえませんでした。踏切の直前で、目の前に降りていた踏切の遮断棒に付いているライト(それほど長くないものが1つだけは付いていました)が目に入ったので、急ブレーキを踏みました。その直後に電車が目の前を猛スピードで通過しました。ブレーキを踏むのがあと1秒遅ければ大惨事になっていたでしょう。命拾いをしました。

4.2018年5月に滋賀県の霊仙山にヤマシャクヤク<山に咲く清楚な花>を見に行きました。下りの際に、登山道から外れて急斜面を下れば近回りできるものと勘違いをしました。45度を超える急斜面を降りたのですが(高度にして100m未満だと思います)、登山道に出ることができません。途中で道迷いに気づきましたが、水がほとんど残っておらず、疲れていたので、もとの登山道まで登る気力はありません。周りは急斜面なのに、鹿が少し離れたところを水平方向に走って行くのが見えました。高いところに行けば登山道に出るのはわかっていたので斜め方向の尾根を目指しました。尾根に着くと、そこが登山道かどうかは道の固さでわかります。2回ほど外れ(がっかりしました)、この辺りで渇水のために死ぬのだろうかと思いました。必死のパッチ(一生懸命の最上級。関西地方の方言で、阪神タイガースの選手がヒーローインタビューで使ったことがありましたが、この時の私の方がリアリティーがあります。)(実は登山中に他にも必死のパッチになったことがあります。日本百名山で最も難しいのは幌尻岳)で最後の力を振り絞って斜面を登ったところ、幸運にも固い道(すなわち登山道)まで辿り着くことができ、命拾いをして思わず道をたたいて喜びました。この時は単身赴任をしていて、誰にも登山のことは言わずに出てきていたので、行方不明者になっていたかもしれません。この時のショックは大きく、この後のしばらくは水を余分に持って登山に行っていました。ちなみに喉元を過ぎた現在は余分な水は持って行っていません。

5.2023年3月に追記:1981年3月に残雪期の黒斑山(浅間山の外輪山)の急斜面を雪山の装備無しで滑り降りた件は<積雪について>(最後の黒斑山の部分)を参照してください。2023年11月に再訪したところ、どこの急斜面を降りたのかがわかりました<外輪山から見る積雪期の浅間山>

6.2023年6月に追記:2023年5月にネパールトレッキングで道がなくなっていたので、崖を10mくらい滑り降りましたネパールトレッキング4-8

7.2023年7月に追記:今月に茂倉岳に登りましたが、この日はとても暑く、下山中に水がなくなりかけ、行動不能の一歩手前の状態になりました北側からの谷川岳の景観。この3か月で2回も身の危険を感じたので、今後は要注意です。

8.2023年9月に追記:2010年6月に越後駒ケ岳を越後三山森林公園から登りましたが、十二平までに雪がたくさん残っていて、通行用に雪の中にトンネルが作ってありました。大丈夫だと思ってその中を通りましたが、6月で気温が高くなっていたので、突然雪が崩れきて生き埋めになっていても不思議ではありませんでした。後で考えれば恐ろしいです。

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