登山の持ち物に水は必須です。たくさん持っていくと重いので、登山の計画を立てるときには、予想される気温、標高差、登山コース上の水場の数と位置を考慮して、持っていく水の量を決めます。これまで日本百名山を登って数多く水を飲む機会がありましたが、印象に残っている思い出の水について記します。その水がなければ山頂まで到達できなかったと思われるケースが何例かあります。なお、正直なところ私は水の味をあまり感じることはできません(ミネラルウォーターの工場の方に聞いたところ、水の味は冷たいと感じにくいが、常温ではよくわかるとのことでした)が、高山にある水は冷たいので、渇いた喉にはとても爽快です。地図に水場のマークがあっても、見逃したり、枯れていたりすることがある(例として、2023年朝日連峰の古寺山北の三沢清水が枯れていました)ので、500mlくらいは余分に水を持っていくのが良いでしょう。ちなみに私はこれまでに3度ほど、登山中に水が足りなくなって、大ピンチに陥ったことがあります(北側からの谷川岳の景観)。
利尻岳の利尻北麓野営場から少し登ったところにある甘露泉:名水百選のひとつ。登山の復路に持ち水がなくなっていました。ここで冷たい水をたっぷりと飲むことができ、とても有難かったです(下の写真:利尻山中腹から山頂を望む)。<頂上付近が立ち入り禁止になる(?)利尻岳>。

幌尻岳の山頂と幌尻山荘の中間にある命の水:7月の北海道でしたが予想外にとても暑くて、上りに水が足りなくなり、命の水を補給しました。私は幌尻岳が総合的には日本百名山の中で最も登頂が難しいと感じています<日本百名山で最も難しかったのは幌尻岳> 。この水が無ければ、この時は登頂を諦めて山荘まで引き返していたと思います(下の写真:幌尻岳山頂手前から見る北カール)。北海道のキタキツネ生息域の水はエキノコッカスが原因の恐ろしい肝臓の病気になる可能性があります(確率はとても低いです)が、利尻岳の甘露泉とここの命の水は湧き水なので大丈夫だと思います。羅臼岳の銀冷水は飲んでいる人が多かったですが、湧き水ではないので私は飲みませんでした。

岩手山の不動平避難小屋の水:7月初旬でしたがこの時期としては記録的な暑さでした。登頂の前には水が必要だと予想して2Lを持ち上がりましたが、それでも全然足りませんでした。ここの水はたっぷりと出ていました。この水がなければ間違いなく山頂まで行くことはできなかったと思います(下の写真:御室火口越しの岩手山山頂)<東北の夏の日本百名山は暑い>。

越後駒ヶ岳の駒ノ小屋の水:上部にある雪渓が水源です(下の写真)。過去に6月上旬に訪れた時にはこの下の小屋まで雪渓が続いていましたが、8月上旬には頂上近くに僅かしか雪渓がありませんでした。雪渓がなくなれば、水もなくなることでしょう。いつまで持つのでしょうか。10月末に訪れた人から、ここには水が出ていなかったと聞きました。ただし、水場の方向を示す標識はあったとのことです(水場に水が出ていたかは不明)。8月上旬の時にはとても暑く、熱中症からの回復に役立ちました。<42年越しの枝折峠からの越後駒ヶ岳>。

苗場山の山頂直下にある雷清水:苗場山は意外と山頂に到達するのが難しい山です<4回目のチャレンジで池塘を見た苗場山>。往路でのこの地点で疲れていると最後の急騰が絶望的的に感じます(下の写真)が、この水を飲むと元気が出ます。

八ガ岳の阿弥陀岳から西へ下ったところにある水場:登山道から少し離れています。8月の暑い時の上り途中で、どうしても冷たい水が飲みたくて、登山道から下ることを覚悟して(下るとまた登らないといけません)利用しました。結局は、運が良くて登山道からほとんど下りませんでした。水はとても冷たくて、生き返り、なんとか阿弥陀岳山頂まで辿り着くことができました(下の写真:阿弥陀岳山頂から望む赤岳)。

飯豊連峰の梶川尾根の五郎清水:7月の暑い日でした。石転び沢の大雪渓を上る予定でしたが、直前にアイゼンがないと危ないとの情報を得て、梶川尾根に変更しました。持っていた地図には湯沢峰辺りに1つと梶川峰手前の五郎清水の計2か所に水場があると表示されていたので、持ち水の500mlを捨てました。これが間違っていて、湯沢峰辺りの水場を見過ごし(水場はなくなっていたのかもしれません)、水が足りなくなってしまいました。すれ違った外国人の方に、五郎清水で汲んだという水を譲ってもらい(登山者としては決して褒められることではありません)、なんとか五郎清水まで辿り着き、事なきを得ました。水を譲ってもらえなければ、途中で引き返していたと思います(写真:梶川尾根から望む飯豊連峰、五郎清水の標識)。<東北の夏の日本百名山は暑い>




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