私は日本百名山でもっとも滑落の恐怖を感じるのは剱岳(一般的なルートの場合です)だと思います。ここでは、一般的なルートではありません(すなわちこのルートを通らなくても目的の日本百名山を登れます)が、剱岳と同等(大キレット)またはこれに準じるようなスリリングなルート(大キレット以外)を紹介します。挑戦したい人はくれぐれも気を付けて行ってきてください。
1.穂高岳と槍ヶ岳の間の大キレット(下の1枚目は北穂高岳から見た大キレット)。私は槍ガ岳と穂高岳を連続して登るのに一旦下りたくなかったので、大キレットを2回通りました(北側からと南側から各1回)が、2回とも生きた心地がしませんでした。難所の1つである長谷川ピーク(1枚目の左下、2枚目の中央右)ではナイフリッジのピークを横切ります。


2.八ヶ岳の旭岳と権現岳の間の61段の梯子 2回通りましたが、いずれも上りでした。ほぼ垂直に感じます。なかなか上までたどり着けません。途中で疲れて手の力がなくなったら終わりです。下りは体験していませんが、滑落の恐怖は上りより強く感じると思います。


3.北アルプスの白馬鑓ヶ岳と唐松岳の間の不帰(かえらずの)キレット 名前が悪いです。ここも2回通りました。2回とも北側からです。実は20代後半時に他の人が企画した登山に参加していた時期がありましたが、1つ上に書いた八ガ岳の梯とここのキレットを短い期間に連続して通りました。いずれも事前に危険個所があるとは知らされていませんでした。この経験で登山に対する強い恐怖心が植え付けられ、トラウマとなって、この後の20年ほどは登山をしませんでした。

4.鹿島槍ガ岳と五竜岳の間の八峰キレット 鹿島槍ガ岳側から通りました。鹿島槍ガ岳の北峰までは人が多かったですが、ここで戻る人が大半でした。キレットの狭いところにキレット小屋が建っています(下の2枚目)。


5.木曽駒ケ岳の近くにある宝剣岳の北西側の道 鎖場で、手を離したらアウトです。写真はありませんが、上の八峰キレットの鎖場よりもグレードはワンランクアップです。
なお、命が惜しくて行ってませんが、剱岳や大キレットより確実に危険なのは奥穂高岳と西穂高岳の間のジャンダルムです。ここは滑落して亡くなる方が多いです。下の写真の右側のピークです。左は奥穂高岳です。


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