ネパールトレッキング5-2

ゴーキョ・ピーク

4月25日 ナムチェ Namche 3440m、ホテルノーリング Hotel Norling にて (本日の歩行時間は約7時間):パクディン Phakding 2610m を出発して2時間ほどでチュモア Chumoa 2950mに到着。更に少し進み、モンジョ Monjo 2835m を過ぎて、ジョルサレ Jorsale 2804m の手前にチェックポイントがあった(写真)。ここではサルガマータ国立公園入場料の3,000ルピーを払って、入場許可証が渡される。この許可証も、昨日のトレッキングカードとともに以降のチェックポイントで提示することになる。地球の歩き方には、クーンブ入場料(昨日、ルクラのチェックポイントで支払いました)もここジョレサレで支払うと記載されているので、この数年で支払い場所が変更されたようだ。利用者としては2種類の入場料を一度に支払う方が手続きが簡便なのだが、変更の理由は不明。ここのチェックポイントでは、ガイドやポーターを雇わないトレッカーはリュックの中をチェックされた。ドローンを持っているかのチェックである。チェックを受けていたトレッカーは少なく、また、ここ以降の道中にすれ違った人を観察したが、ガイドやポーターを使っていないトレッカーは概ね2割くらいと思われた。

ジョルサレで昼食をとり、最初の橋を渡ったところで、間違えて山側のラバ専用の道の方に入ってしまった。トレッカーは全くいない。トレッカー用の道は川に沿っている。しばらく行けば合流するはずなので、このまま進むことにした。こちらはアップダウンがきつく、恐らくトータルで200m位は余計に登るはめになった。途中で多くのラバの隊列に抜かれた。ラバは食糧や燃料(鉄の容器に入っている)など重い荷物を積んでいて、この先に訪れるトレッカーの数が多いことを物語っている。隊列に抜かれた後、そのまま歩いていると、驚いたことに、抜いて行ったラバ使いが道の真ん中で向こう側を向いて、大きめのナイフを研いでいるではないか。もしもこっちを向いていたら万事休すの状況だが、咄嗟に安全であると判断して(無理やりそう判断した感もあります)、冷静に追い越した。幸い何事もなかった。ネパールでは強盗はほとんど聞いたことはないが、もしもおどおどしていたら金品を奪われていたのかもしれない。

道を間違えたせいで(ガイドを使っているとこんなことはなかったのですが)余計な体力を使ってしまった。この疲れと老齢と重い荷物のためか、本日の難所のナムチェ Namche 3440m 手前の急坂(ジョレサレから2番目の橋からナムチェまでの標高差600m)では、休憩を頻繁に取り、多くのトレッカーに抜かれながら、約3時間ほどかけて(標準時間は2時間くらいだと思います)ようやく登り切った。ほぼ中間地点にあるトイレからエベレストが見えるということだが、誰も見ておらず、空気が霞んでいたので恐らく見えないと判断し、素通りした。約600mの急坂は、2018年のウレリ、2019年のチョムロンで体験したが、これらは登り始めの標高がそれぞれ1580m、1340mで、今回が2840mと高かったこと、それに加えて、ここ数年で私が年老いたことが原因で、非常にきつかった。この日はジョレサレまでのアップダウン、ラバ道への迷い込み、最後の急坂と、延べ1,000m位登ったと思われる。坂が終わったところ上がりでチェックポイントがあり、トレッキングカードのみを見せた。

多くのトレッカーに抜かれたが、ナムチェはロッジが多く、トレッキングのピークが過ぎているのだろう、行き当たりバッタリで入ったロッジ(スノウランドホテルだったと記憶しています)は満室だったが、その隣のロッジ(名前はホテルノーリングですが、ロッジです)に空き室があった。500ルピーで一人部屋が利用できる。1部屋にベットが2つ置いてあるので、ピーク時には相部屋になるのかもしれない。お湯シャワーは500ルピー。Wi-Fiは1日300ルピー。アンナプルナ地域では、部屋代は村やロッジ毎に違っていて、お湯シャワーとWi-Fiは無料だった。地域によって料金体系が違うようだ。ロッジの窓からナムチェの村落越しに、先端が尖った6000m級の勇ましい雪山、タムセルク6608mとカンテガ6779mが見えた(写真、2つの山のピークが近接しています。右がタムセルク、これらの山はこれから先、ゴーキョ・ピークまでずっと見えます)。暖かい(日中は20℃近いと感じました)ので山がやや霞んでいる(トレッキングのピークは過ぎているのかもしれません)が、それでもやっとヒマラヤに来たという実感が湧いてきた。同時に、目的地のゴーキョ・ピークは5300mもあるので、あの雪山に近い高度まで登ることを考えると、強い不安感を感じた。明日一日は高地順応のため休日とする。今日の疲れも取れるだろう。高山病の症状はない。咳が少し出るくらい。

4月26日 ナムチェ Namche 3440m、ホテルノーリング Hotel Norling にて (本日は休養日 昨日の眠りは浅かった。血中酸素濃度は89で、3400m地点では正常範囲である。標高2610mのパクディンでは熟睡できたのだが、800m程高いナムチェではそうはいかなかった。洗濯、洗髪をして、パソコンでメールをチェックし、バザールへ行った。ここナムチェはナムチェバザールとも呼ばれている。毎週金曜日の午後と土曜日の午前中に村の入り口近くの空き地で定期市が開かれる。何日もかけて、遠くの村々から品物が運び上げられるとのこと。今日はちょうど金曜日なので午後からバザールを覗いてみた。野菜、肉、衣料品、雑貨品、燃料などの生活必需品が売られていた(写真)。どこから運んできたのか聞かなかったが、小さいリンゴを3個、330ルピーで買った(記憶では1Kg700ルピー台(800円台)だった。日本より高いと思う)。想像していたより小規模な市であったが、周りは全く自動車が通っておらず(アンナプルナ地域とは違っています)、全ての品物が人やラバ・ヤクにより運ばれることを考えると、盛況な市であることが納得できる。ナムチェ村は馬蹄形の斜面上にあり、ロッジや土産物屋が所狭しと並んでいる(写真)。どの建物も比較的新しく立派で、ヒマラヤの奥地とは思えない。トレッキングや登山で潤っているのだろう。朝はまだ昨日の疲れが残っていたが、午後になって回復してきた。明日はモン・ラMong La 3973m まで行く予定。本日は昨日よりも山が霞んで見えた。これより奥に行っても、このように空気が澄んでいないとヒマラヤの山がはっきりとは見えないのではないかという漠然とした不安が、私の脳裏をよぎった。

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