深田久弥は日本百名山選定の基準として、①山の品格、②山の歴史を尊重、③個性のある山、の3つを挙げ、付加条件として大よそ1,500m以上としています。実際にはこの数倍の山に登って、未踏峰の山は選ばなかったとのことです。百名山からやむを得ず落ちてしまった山々についても言及しています。このような選定基準を最近知りましたが、私が日本百名山登頂を達成してみて、他の山と比べて感じた特徴や印象を述べます。関連記事<回想記を立ち上げた経緯><日本百名山達成に必要なもの>
第1に、例えメインのルートではなくても大抵の場合で、道が整備されていて、危険個所への対策がしてあり、看板、標識、目印等があって迷いにくくなっています(写真は西吾妻山へのメインルートではない西大巓(にしだいてん))。軽度の方向音痴である私でも道に迷ったことは少ないです(数えられるほどですが、あります。例として登山道を間違えていた雨飾山)。登山中に最も注意しなければならないことは、道から外れたり落ちたりしないこと(ある意味、人生と同じかもしれません)ですが、百名山ではこれらの危険性は低くなっています。ただし、ゼロになっているということではありませんので、注意は怠らないようにしてください。私がニ百名山を目指したいとは思わない主な理由は、二百名山の中には道が十分には整備されていないところが少なからずあるからです。

第2に、景色の外れが少ないです。深田久弥の品格や個性はこれに相当するのでしょうか。比較的晴れた日に登山して、景色に物足りなさを感じたことはありません。山頂での視界がきかないところは確かにあります(皇海山、大菩薩嶺、西吾妻山など)が、その途中では十分に景色を楽しめることができます。また、どの百名山でもコースを変えると別の景色を楽しめますので、私はリピートが比較的多いです。剣岳3回、槍ヶ岳3回など、百名山達成時に百名山の総登山回数は約165(65回のリピート)になっていました。これからも体力の続く限り、季節やコースを変えて百名山を登り続けると思います。
第3に、山にもよりますが、休日に行けばたいてい混んでいることです。デメリットとしては、山小屋が混んでいて2人で一つのふとんを共有したことが何度かあります(冷池山荘(鹿島槍ヶ岳)、穂高山荘、笠ガ岳山荘、木曽殿山荘(空木岳))。また、山で渋滞が発生したこともありました(奥穂高岳、大山、九重山)。一方、メリットとしては、アクシデントがあった場合は助けてもらいやすかったり、頂上で写真を撮ってもらえたり、すれ違った人から情報をもらったり、熊が寄ってくる可能性が減ることなどが挙げられます。ちなみに私は、百名山登山中に熊に遭遇したことはありません。熊鈴はうるさいので、熊の目撃例が多い場合を除いて、めったに付けない主義です。百名山に含まれるかどうかは微妙ですが、平日に雄阿寒岳を登った時は危険を感じてさすがに熊鈴を付けました。北海道の熊は本州のツキノワグマより大きいヒグマです<阿寒岳は雌雄の阿寒岳と阿寒富士の3山セット>。
第4に歴史のある山が多いです。私もそうでしたが、山の歴史についてあまり興味を持っていない日本百名山チャレンジ者が多いと思います。深田久弥は日本百名山の選定基準の1つとして歴史を挙げています。以下に例を挙げます(他にも数多くあります)。四阿山ですが、山自体及び山頂からの景観はそれほど特徴的ではない(私見です)ので、私はどうしてこの山が日本百名山に選ばれたのか不思議だったのです。深田久弥の日本約名山によると、「日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征からの帰り、鳥居峠の上に立って東を振り返り弟橘姫(おとたちばなひめ)を偲んで、「吾妻はや」と歎(なげ)かれた。そこで峠のすぐ北にそびえる山を吾妻山と名づけた、と言われる」と記されており、山中には歴史を感じさせる遺構がところどころに見られます。霧島山については、最高地点の韓国岳(からくにだけ)(1700m)についてはほとんど記載しておらず(高千穂峰を見るために登ったと記載されています)、天孫光臨の神話的伝説にふさわしい高千穂峰(1574m)(写真)について熱弁を振るっています。韓国岳には登ったけれど、高千穂峰を外した人は深田久弥の選定意図を汲んでいないことになるのかもしれません。伊吹山については、採掘されている伊吹山を参照してください。日本百名山を登る前に歴史について調べてみると、より深く登山が楽しめます。


なお、百名山に選ばれなかった名山もあります。日本二百名山の中に含まれるものが多いでしょう。私はそれほど登っていませんが、特に良かったものについては<日本百名山以外の名山>で紹介します。


コメント