4月28日 ルザ Luza 4360m のロッジ Khangtega View にて(本日の歩行時間約5時間): ポルツェ・テンガ 3680mは谷底に位置するので景色は良くないが(低地なので体に良いと思い宿泊地に選んだ)、日が昇ってきて窓の外を見ると、昨日は霞んでいたタムセルク6608m(写真、この山はナムチェからも見えます)の山頂辺りがくっきりと見える。朝だからなのか、今日は空気が澄んでいるのかどちらかはわからない。道の方を見ると、キジのような鳥のつがいがいる。ネパールの国鳥のダフェであった。雄(写真)は色鮮やかで、雌は地味。その後ダフェは、帰りにドーレの林で見かけたのと、帰りにこのロッジ周辺で見た(今日のと同じ個体かどうか不明)。しかし、クムジュンでは見ることができなかった。ネパールの国花のシャクナゲがあちこちで咲いていたが、ダフェの方が希少価値は高い。ここに泊まって良かった。


ロッジを7時15分に出て、30分ほどでチェックポイント(写真)があった。トレッキングカードと入場許可証の両方を見せた。なんと鉄条網越しに、ノートに手書きで写された。30分毎くらいに休憩を入れながら400mの急坂を登り切った。高度と老齢と重い荷物のせいで息が切れる。昨日ポルツェ・テンガ に泊まらずにドーレまで歩いていたら、相当苦労しただろう。エベレスト街道は人が多かったが、分岐点からはまばらにしか人は通らない。動物の隊列もほぼ皆無である。このコースは静かなトレッキングを好む人に向いている。10時前にドーレ 4084mに到着。高度順応のためにドーレに泊まろうと思っていたが、あまりにも時間が早いので、先に進むことにした。ミルクテーを頼んだヒマラヤンロッジ(だったと思う)の愛想のいい女将(この女将は帰り道でも登場します)から、マッチェルモまでゆっくり行っても3時間で着けるとの情報を得た。

ドーレを辺りが森林限界のようで、以降は木々少なくなる。4月末なのでまだ緑が少なく、荒涼としている。ヤクは散見されるが、新しく生えてきた草をすかさず食べつくしている感がある。ドーレではヤクの牛乳を縛っているとのこと。不確かであるが、エベレスト地域のロッジのミルクティーはヤクの生乳を使っているようで美味しい。今回のトレッキングではレモンティーはほとんど注文せず、ミルクティーばかり飲んでいた。アンナプルナ地域では粉ミルクを使っているところが多かったと思われる。今日は特に北方面は空気が澄んでいて、チョー・オユー8188m(シェルパ語でトルコ石の女神)が良く見える(下の1枚目の写真)。南のタムセルク6608mとカンテガ6779m(いずれもナムチェから見えていました)はやや霞んでいる(2枚目)。空気の温度が低い北側は澄んでいるのであろう(と勝手に推測)。東側には川(ドゥードゥー・コシ)の対岸に道が見える(3枚目)。西側近くに、雪はあまり載せていないが、尖った山が見える(4枚目)。四方にヒマラヤの山々が見える絶景のトレッキング。この先、ゴーキョまではこのような景色が続いた。




ルザ4360mに12時過ぎに到着。あとひと上りすればマッチェルモ4410mに着くのだが、少しでも高度が低いところで睡眠を取った方が体に良いと判断し、ここに泊まることにした。この日の宿泊客は私のみ。ルザで開いているロッジはここ1軒だけ(下の写真)。とうとう4000mを越えたが、今のところ、頭痛、吐き気、倦怠感、動悸、食欲不振などの高山病の兆候はほぼ無い。動くと息切れしやすいく、上りでは少し咳が出る。私は高所ではいつも咳が出るので、想定の範囲。血中酸素濃度はだいぶ落ちてきて78(翌朝は83に回復していました)であるが、異常値ではない(標高4400mでは目安が73%以上、「高所トレッキング・登山をする方が知っておきたい高山病の知識」東京医科大学渡航者医療センター 増山茂)。泊り客が一人しかいないので、私の夕食のダルバートを作っている時に暖かい厨房に入れてもらった。煮物には圧力鍋を使っていた。客室の温度は意外と暖かく(たぶん、朝方でも10℃くらい)、寝袋は持ってきていないが、布団1枚と毛布1枚で充分だった。地球の歩き方は、4300m辺りでも高度順応のために連泊することを勧めている。ルザ4360mで連泊する予定だったが、このロッジにはWi-Fiが無い。明日は短距離だが、マッチェルモ4410mまで移動することにした。


ロッジの50才くらいの主人(以前にガイドをしていた)から以下のことを聞いた。真冬は寒く、小川は凍結する。雪はほとんど積もらない。夏は毎日のように雨が降り、たまに山が見えることがある。トレッカーはほとんど来ない。小川の水量は増えるが、通行に支障はない。日本人が好きなブルーポピー(青いケシ)が近くで見つかる(多いのはゴーキョ)。蛭はルクラより高い所では出ない。イエティの存在を信じているようで、何十年も前にはイエティの雪上の足跡を見たが、最近は全く見ないので、どこか遠くへ移動したのだと思う。このロッジは秋は4か月(9-12月)、春は3か月(3-5月間)の営業。シーズン外はクムジュンの自宅にいる。今年はどういうわけかトレッカーが少ない。ルクラでの天気が悪くて飛行機が飛んでいないのが原因かもしれない。一方、この辺りはずっと天気は良い。


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