長野県天龍村の巣箱で観察されたブッポウソウ(ブッポウソウ科、夏鳥)、日光戦場ヶ原で観察されたミソサザイ(ミソサザイ科、留鳥または漂鳥)、および、群馬県の亜高山帯で観察されたキクイタダキ(キクイタダキ科、留鳥または漂鳥)を紹介します。2025年8月28日更新。
ブッポウソウ ブッポウソウ科 夏鳥 長い間「仏法僧」と鳴くと思われていたが、声の主はコノハズクだった。低山の森や集落などに近接する林、社寺林などに生息する。基本は樹洞営巣だが、鉄橋の穴などの構造物や巣箱も利用する。雌雄同色で、赤い嘴が目立つ。頭は黒く、体は緑光沢のある青色。飛ぶと翼の白斑が目立つ。寺社の森で多く見られる美しい鳥のため、霊鳥として大切にされてきた。
環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)で、美しい外観から森の宝石とも呼ばれています。広島県と岡山県には比較的多いと聞きますが、群馬県では非常に珍しく、森を探しても見つかる可能性はとても低いと思います。長野県天龍村の町役場の屋上に巣箱が設定されていて、毎年営巣しています。役場の横のお寺のご厚意により、敷地内に三脚を持ち込んでの撮影が可能となっています(マナーは守りましょう)。私が行ったのは平日でしたが、10名弱のカメラマンが遠くから来られて、ほぼ満員状態でした。土日はもっと混むと思います。お寺には巣箱の中の様子が写っているモニターがあり、リアルタイムで観察できます。また、お寺や役場ではブッポウソウのグッズを販売しています。
午前9時過ぎから観察を始めましたが、ツガイが5羽の幼鳥に交互に10分毎くらいの頻度で餌を与えていました。10時半頃になるとその頻度が減ってきました。ブッポウソウは羽を広げている姿が美しく、飛んでいるところを撮るのが良いと思います。しかし、私の腕ではピントを合わせるのが難しく、巣箱の周辺の写真ばかりになりました。お寺の住職さんによりますと、今年のこのツガイ(村役場の屋上の巣箱を利用)は、去年とはお気に入りの止まる場所が違っていて、また、巣箱に入ったのが遅く、新たなツガイらしいとのことです。また、住職さんは、「天龍村では毎年14~15くらいのツガイが子育てをして、ヒナは巣立っているが、ブッポウソウの飛来数は増えていない。巣立ち直後の幼鳥はじっとしておらず、あちこちに飛んでいくので、カラスにやられているのではないか。」と教えてくださいました。




ミソサザイ ミソサザイ科 留鳥 渓流に住む小さな鳥。日本最小の鳥の一つだが、さえずりの声量は驚くほど大きい。夏は平地から山地の林に生息し、特に渓流沿いに多い。冬は平地に降りて越冬する。チョコレート色の体に黒く細かい模様がある。頭が大きく、短い尾羽を立てた独特のポーズがかわいい。
7月上旬に、日光戦場ヶ原の林の小川の近くで、ウグイスに負けないくらいの大声量で鳴いていました。


キクイタダキ キクイタダキ科 留鳥または漂鳥 日本最小の鳥。頭の黄色い羽根を、菊の花に見立てたのが和名の由来。枝から枝へ素早く動きながら、昆虫やクモを捕食。針葉樹にいることが多く、頻繁にホバリングする。雌雄ほぼ同色で、頭頂部の黄色い羽根はどちらにもあるが、オスはその中央に橙色の羽毛が隠れている。
キクイタダキは2025年2月に道東で撮影した(冬の道東で見られた野鳥)のですが、樹上にいたので、トレードマークの頭の「菊の花」は写っていません。キクイタダキと判断したのはガイドさんに教えてもらったからです。下の写真は8月上旬に群馬県の亜高山帯で水浴びに来たところを写しました。ただでさえ、小さいので鮮明な写真は撮りづらいのですが、その上に、動きが素早いです。鳥撮影初心者の私は、三脚を使っていてもほとんどの写真がぶれていました。その中でましなものを選びました。2枚目の写真を日本野鳥の会群馬に見ていただき、「頭部の黄色い部分から、赤い部分が透けて見えているので雄だと思います。」とのコメントをいただきました。キクイタダキを撮った後に、この水場にルリビタキが来ましたが、無意識のうちにキクイタダキと大きさを比べていたのでしょう、アカハラかと思いました。3枚目の写真は別の日に同じ所で撮影したもので、1,2枚目と同じ個体かどうかは不明ですが、赤い部分が見えるのでオスと考えられます。



下の写真は長野県の妙高山の登山道で8月中旬に写しました。何の鳥かわからなかったので、日本野鳥の会群馬に問い合わせたところ、キクイタダキの幼鳥との回答をいただきました。幼鳥には頭の「菊の花」がないとのことです。この辺りには行きも帰りもキクイタダキの複数の成鳥が飛び回っていたのですが、ぶれたりピントが合わなかったりで、ブログに掲載可能な写真は撮れませんでした。この幼鳥も、奥に写っている野鳥(何であるか不明)がじっとしている間、この枝の下から上までを素早く動移動していました。キクイタダキが野鳥撮影者の間で人気者であるのは、写真が撮りづらいことが一因となっているのかもしれません。


野鳥の説明文は野鳥図鑑(日本文芸社)から引用しています。
夏の野鳥9 キツツキ科に移る。


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